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夫の親の介護をしても相続権がない? 長男の嫁問題とは

「長男の嫁」には相続権がありません

家族の形が様々に変化していっている現在でも、親の介護をするのが主に長男の配偶者であるケースは少なくありません。
いわゆる「長男の嫁」が家族に尽くす習慣が根強く残っているとも言えます。

しかし、その「長男の嫁」、介護において最も大きな負担をしている長男の配偶者には、親の遺産の相続権はありません。

長男の配偶者から見ると、義理の両親の介護をしていることとなり、直接の親族ではありません。
相続権は配偶者か一定の範囲の親族にしか認められませんので、子供の配偶者は相続人とならないためです。

相続権がない人に相続してもらうには遺言が必要です

介護をしてもらっている親が、子供の配偶者にも遺産を相続してもらいたいと思っているなら、遺言を書くことで問題を解決できます。
遺言は被相続人の意思を示すものとして、法定相続割合よりも優先されますので、子供の配偶者にも遺産を残すことができます。

遺言には、「○○(子供の配偶者)に、遺産の□割を遺贈する」と書くだけも有効です。
しかしこの場合は、相続人全員で行う遺産分割協議に子供の配偶者も参加して、実際の分け方を話し合わなければなりません。

遺産分割協議は争いが起こりやすい場面でもありますので、相続人の中に「長男の嫁」を加えるのはできれば避けたい方法です。
そのために預金などをあらかじめ分けておいて、「○○(子供の配偶者の名前)に、△△を遺贈する」と具体的に指定した方がスムーズです。

相続権がなくても寄与分を請求できます

遺言は被相続人が用意する必要があります。
そのため、長男の嫁が義理の親の介護をするのは当然だという観念が強い家など、期待できないケースも少なくありません。

そのような場合に対応するため、2020年4月から適用される改正民法では、相続人でない人に対しても金銭的見返りが認められるようになります。

ただし、相続人でないことは変わらないので、直接遺産を相続することはできません。
その代わりとして、遺産を相続した親族に対して、寄与に応じた金額を請求することができるようになります。

長男の配偶者が介護をしたおかげで、外部の介護サービスを利用せずにすみ、金銭的なメリットがあったでしょう。他の家族の負担が減ることで、その人たちの収入が減らずにすんだという側面もあったでしょう。家族の関係性を良好に保てたとも言えるかもしれません。

これらの寄与について、遺産を相続した人たちへの金銭請求権が認められます。

可能であれば事前の準備を

寄与分の金銭請求権が法的に認められたとしても、相続人たちにその感覚がないかもしれません。
その場合は、やはり争いになってしまうことも予想されます。
法律では争いになった時の家庭裁判所の審判まで規定されていますが、新しい制度なので面倒も多いかもしれません。

可能であれば、被相続人の生前に遺言書を準備してもらうのが今後も一番良い方法と言えます。